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2016年5月16日 (月)

叔父さん

昨日、叔父さんが亡くなった。

よく、芸能人のブログで身内の不幸をブログに載せると

「そんな大変な時に、よくブログを載せる余裕があるよな。」
「不謹慎だ!」

なんてことを言われるが、意外とできてしまうものだなと思った。


なぜなら、昨日会ってきた叔父さんは、私の知っている叔父さんとは全く違う。
私の知っている叔父さんは丸顔でコロコロしていて声がとても大きくて、

「○○ちゃ~ん!!」

と人前で呼ばれると恥ずかしくなるくらいだったけど、
今、目の前に眠る叔父さんはまるで亡くなったおじいさんのようだった。




叔父さんは優しくて、すぐ人を信じてしまうので、色々な人から騙されては
利用されて、その度に一文無しになって・・・そんなことをいつも繰り返していた。
車の運転が好きだから、頼まれたらタダでどこまでも運転手をしてしまう。


救いは、本人に全く騙された自覚がないこと。
全く見返りを気にしない叔父さんに、そこがいいところだと思いつつ心配で、
叔父さんを取り囲む知らない人たちに対して、許せない!と怒りを覚えたり。
時々母の所に遊びに来ては騙された話をしていく叔父さんに少しイラ立ってしまい
避けたり、バカにする様な態度をとってしまったなぁ・・・でも心配だったんだよね。


何十年も前から年上の女性と同居していた叔父さんは、結婚はしなかった。
結婚すればよかったのにな・・・と私のような外野は思ってしまう。
きっとふたりの中に理由はあるのだろうけれど。


でもね、叔父さんが眠る部屋の隣で、女性の身内と叔父さんの身内がね、
ドロドロとしたお話をしているの。
ドラマみたいに泣きながらお葬式して、天に昇る叔父さんを見送ろう・・・
なんてことはなくて。
もう何時間もギシギシ、バキバキ・・・って音を心に隠して話をしているの。

叔父さんが結婚していたらこんな嫌な時間はなかったのかもしれないと思うと
最後に少しだけ叔父さんにイラっとしそう。ごめんね、


まだほんのりと温かい叔父さんの前で、叔父さんの話をしようよ。
私はドラマの延長のようなことを考えている。



叔父さんはお金がないくせに、私たちに会う時はお土産を持ってきてくれた。

「つきあいだから断れなくて、今日もたくさん買ってしまったから、おすそ分け。」

そう言われると、嬉しいけどいつも複雑な気持ちになっていた。

そんな叔父さんも、体調を崩して仕事が続けられなくなり、会社を辞めさせられた。
もう叔父さんを騙したり、利用する人はいなくなるけど、それじゃ困るよね。
でも、

「まずは身体を治そう。母の所にいつでも遊びに来てね。」

なんて言っていた私。

「おぅ、ありがとな。」

叔父さんはシャイで、照れながらキャップを深く被る。いつもそうだったね。

入退院を繰り返し、そのうち大好きな車に乗れなくなって、行動半径が狭くなり、
叔父さんは私達に会わなくなって行った。
車を自転車に乗り換え、街を走っていたら、慣れない運転のせいなのか
街中で顔から崩れるように激しく転んでしまい、入院。
自転車にも乗れなくなった叔父さんは、退院後は散歩が日課と聞いていたのに


「今は自宅で寝たきりだよ。」

と母から聞かせれるまでがあまりに早く、頭がついて行かなかった。


「元気だよ。自分のことは自分でできるよ。」

その叔父さんの言葉を信じていたのに。


母からの叔父さんが危篤だという報告を受け、実感がわかなかった。
すぐに駆けつければよかったのに、同居する女性に気を遣ってしまい、
緊急連絡先のひとりにさせてもらったけれど・・・


叔父さんは女性だけに見守られることを選んだみたい。



よかったね。
叔父さん、なんだかずごくバタバタと急いでしまったけど、
なんだかもう心配しなくて良くなるのかなと思うと少しホッとする。

私が勝手に心配していたんだけどね。


叔父さん、葬儀の日、私は本当はライブに行く予定だったの。
一枚9,000円もするチケット代、友達の分と2人分払っちゃったんだよ。
すごく行きたかった念願のライブだったの。
お休みを取ってくれた友達に平謝りしたんだから。



7人兄弟の末っ子の叔父さん。
順番が違うってみんなが言っているよ。


私も末っ子だからなんとなくわかる。
いつまでも心配かける私達は末っ子だもんね
・・・なんて叔父さんに話しかけたい。


なのでブログが書けたのかもしれないね。


叔父さん
私ね、今回初めて受付をすることになったの。
本当は嫌だったけど、叔父さんのためにやります。


叔父さん、私のことが心配でしょう?

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コメント

こんばんは、御垣内*です。 

お仕事が決まったんですね! 通勤時間が短いといいですね! 


 

投稿: 御垣内* | 2016年5月21日 (土) 22時22分

おひさしぶりです。御垣内さん。

お仕事決まったんじゃないんですよ。
叔父さんの葬儀の際の受付・・・ってことです。

姉と一緒だったんですが、姉が接客だったので
私は裏方・・・

それにしても葬儀って疲れますね。
慌ただしくて叔父さんに語りかける余裕がありませんでした。

投稿: みっきにゃん | 2016年5月22日 (日) 08時31分

確かにそうですね! 急な出費もありますから。。。。。

お見送りしている側のお姿も、ご供養になると存じます。

葬儀は、生活保護対象者の福祉葬でない限り、農協でも
30~50万かかります。このために県民共済や互助会
があるのかもしれませんね?


投稿: 御垣内* | 2016年5月22日 (日) 22時25分

みっきにゃんさんの文章を読んでいると、元気な頃の人の
よさそうな叔父さんの生活振りや、そのおじさんの事を思
いだしながら、優しく語りかけているみっきにゃんさんの
一つ一つの言葉が、しっかりと伝わってきて最後まで一気
に読んでしまいました。

比較的長い文章だけど無駄な内容は一つもなく、若い人で
ないと書けないような語りかけるような手法は、素直でと
ても心温まる名文だと思いました。(*^^)v

投稿: kazu | 2016年6月24日 (金) 17時08分

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